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それでは温かい食事を届けようということになり、“市民炊きだしボランティア”を行ったわけです。そして終わった後でボランティアの皆さんから感想を出していただきました。その一部を抜粋しますと「人の役に立った。明日からもっと頑張りたい」「ボランティアに参加して初めて人の大切さがわかった」「1人ひとりが自分のできる範囲で自分のできることをするだけで、すばらしい活動ができる」「いろいろなボランティアがある。何でもボランティアなんだ」「今回参加できたことはボランティアを始めるきっかけになった」「しんどかったけど満足感がある。幸せを感じた」「優しい気持ちが自然に形になることはすばらしいことだ。分かち合いの気持ちを形に表せるこういう機会が欲しい」「ボランティアとは構えなくても身近なところで、小さなことでも、たった1人の人でも喜んでもらえることをすればよいのだ。どんな小さなことでも良い、何か役に立つことをしようとささやかな勇気を持つことが出来た」「参加して元気という力を貰って来た」等の感想を頂きました。
今までボランティアをしたいがどうすれば良いのか分からないと思っていた方々が、初めてボランティア活動を経験できた良い機会ではなかったかと思います。
このような経験を踏まえ、行政としましても改めてボランティア対策を考えてきたわけです。

 

田中 ありがとうございました。岩崎部長には後ほど他の3者のボランティアのことをもう1度お聞きしますので、行政サイドから何か応援することはないのか、というような質問をしたいと思いますので、そういう観点で聞いていて下さい。次はヘロン久保田さんですが、ヘロンさんは愛媛県の関前村でタイムダラーを実践しております。皆さんにお配りしています「ふれあいねっと」の中に「グループだんだん」が紹介されています。タイムダラーのボランティアをアナ・ミヤレスさん等がその島に入りやり始めたものです。明日、明後日ヘロンさんとアナ・ミヤレスさんは関前村に行かれるということです。それでは、お願いします。

 

●日本でタイムダラーを実践して

 

ヘロン久保田雅子
先程アナ・ミヤレスさんの通訳をしたヘロン久保田雅子です。言葉を忠実に通訳するというのは難しいものです。自分の気持ちが入ると忠実に通訳することができません。今度は自由に話させていただきます。
私は1965年から18年間アメリカに住んでいました。この時代はアメリカも大きく変化した時期で、いろいろな草の根的ボランティア活動を経験しましたし、激しく変わるアメリカの中で崩れかけているものを下になって支えているNPOの力も経験しました。そんな中で、5年前(91年)にアナ・ミヤレスさんが、NHK松山のボランティア番組のメインゲストで松山に来られました。その当時はタイムダラーのことを知らなかったのですが、とても興味がありましたので、アナさんをNHKに紹介したWACの田中さんに頼み、ボランティアで通訳をさせていただきました。もちろん同時通訳は専門家の人がいましたけれども。アナさんにタイムダラーについて聞きまして、それ以来タイムダラーの

 

 

 

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